MEMS触覚センサ

概要

ロボットの皮膚としてMEMS技術を応用した触覚センサの開発とその応用技術として 接触状態を識別する技術を開発しています。

背景と目的

●ATRで開発を進める触覚センサは、近い将来に家庭に入ってくる次世代ヒューマン サポートロボットや工場で活用される次世代産業用ロボットに人間並みの感触を与えることを目指して、圧力と剪断力を同時計測可能な触覚センサの開発を進めています。このようなセンサを実現することで、ロボットが対象物体をあまりきつく掴まなくても落とすことなく器用に把持できる機能を与えることを目的としています。ここではさらに、試作した触覚センサをロボットハンドの指先にセンサを実装し、実際にモノを掴ませて、その掴み具合を 自動識別する手法を開発しました。

集積多軸触覚センサの基本構造

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開発技術

●ナノ薄膜技術によって基板上に微小な立体構造を作製し、その上に弾性樹脂を塗布した構造を提案しました。樹脂表面に垂直、又は水平方向に力がかかると、樹脂が変形し、それに応じて立体構造も変形します。

この変形量から圧力と剪断力を同時に算出できます。このようなシンプルな構造のため、本センサは使用目的に合わせて計測可能な力の範囲やセンサの数、密度を変えることができます。

そこで、ロボットの触覚を実現するための皮膚センサだけでなく、およそ人が触れる可能性のある多くの場面に応用可能な汎用的な触覚センサです。

集積多軸触覚センサの応用分野

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今後の予定

これまでに素子サイズ1平方mm程度のセンサ素子の開発に成功しており、今後はその集積化と出力される信号の処理による把持状態の識別機能に関する開発を進めます。